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十宮詞図冊 2007年08月20日(月)更新
【和:じゅうぐうしずきつ】 |
【中:Shi gong ci tu ce】 |
明・清|彫刻・書画>十宮詞図冊
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冷枚
清(雍正期頃)
絹本,彩色(折本)
各:縦33.4cm,横29cm
北京故宮博物館蔵
冷枚(17世紀後期~18世前期),字は吉臣,金門画史と号し,膠州(現・山東省膠県)の人。宮廷画家。康熙後期に宮廷に入り,乾隆7年〔1742〕まで仕えました。康熙56年〔1717〕には王原祁を主任とするく万寿盛典図〉の制作にもたずさわっています。彼は人物画を得意とし,特に官女を描くことに優れており,また山水,楼閣をも得意としていました。その絵画技法は,宮廷画家である焦秉貞の技術を受け,中国画と西洋画を折衷し,整正で繊細な表現は生き生きとした趣きをかもし出しています。論者はそれを「筆法が清潔で,彩色技法に優れている」と評しています。冊の前後に「静宜園」(朱文)「大上皇帝之宝」(朱文)の二印が捺され,各絵の中心上部に「楽寿堂図書記」(朱文),表装の上部に「乾隆御覧之宝」(朱文楕円),「八徴耄念之宝」(朱文),「嘉慶御覧之宝」(朱文楕円),「養心殿鑑蔵宝」(朱長方),「古希天子」(朱円)等の印が捺されています。見開きには,梁詩正によって乾隆帝即位前の宝親王時代に作った呉・楚・秦・漢・魏・晋・斉・陳・隋・唐など十首の宮詞が書かれています。(詩は雍正13年乙卯,1736年に作られています。)各絵は詩の意味と今わせてあり,各宮中で歌舞によって盛り上がっている光景が描かれています。最終頁の落款には「冷枚恭画」と書かれ,「冷枚」(朱文),「敬絵」(白文)の印が捺されています。
画中の色彩は濃厚で古雅な味わいがあります。人物の姿は各々異なっており,また生き生きとした表情は真に迫っています。建築物の捕法は精密で細かく,透視画法も駆使されており,作者が中国画と西洋画の高度な技術を融合させていることがわかります。出所:『紫禁城の后妃と宮廷芸術』
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