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鹿狩図 2007年08月22日(水)更新
清人
清(乾隆期)
紙本,彩色(巻物)
縦37.4cm、横195.5cm
北京故宮博物館蔵
乾隆帝と妃が馬にのってろ狩猟をしている場面を描いています。乾隆帝は馬上で弓を引き,妃は矢を前に差し出し渡そうとしています。二頭の馬の足は力強くかきこみ,たて髪のなびきからも速度が感じられます。馬の前方には大きな鹿が矢にあたって暴れ狂い,突然たおれてしまった様子が描写されています。馬と鹿の描写は精細をきわめ,強健で勇ましい動きが表現されています。乾隆帝は心を落ちつかせ,集中している姿が描かれていますが,そこには英気あふれる君主の姿が生き生きと表現されています。妃が身につけている衣装からウイグル族の妃容妃とも考えられます。郊外の秋の森林を背景とし,黒石や緑松が彩どり,秋樹は朱砂と花青で,石は石緑と花青でそれぞれ彩色が施され,画面全体には明るくほがらかな気分が満ちあふれています。画風は宮廷画家の関槐(18世紀)の系統にあり,人や馬の画法は,清宮への貢品であるボヘミア人艾啓蒙の画法に近似して,精繊で細かく,その姿態は躍動感にあふれています。
この絵は乾隆期の宮廷表装で,引首部分には乾隆帝自ら〈威狐獲鹿〉と題し.錦套の内側の白綾には、乾隆の子永瑢による秋山紅樹の景色が描かれ,「乾隆御覧之宝」(朱文)が捺されています。錦套に表装されている点からも,貴重な歴史文物であることがわかります。出所:『紫禁城の后妃と宮廷芸術』
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