石灰岩、彩色、金
高120cm
1996年山東省青州市龍興寺址出土
北斉・6世紀
青州市博物館蔵
　肉髻がなだらかに盛りにがり、顔のつくりは面部中央に集まっている。体部は薄く、下腹を少し突き出している。腰の微妙なくびれや下腹の膨らみなど肉身の抑揚に細やかな神経が払われている。体に密着するように衣を着けるが、衣紋を刻線で表わしている。左肩から脇腹にかけての衣端や両脚間のJ字型の襞は実に装飾的で、また、衣紋線も単複を巧みに組み合わせ、全体に軽快なリズム感を生み出している。なお、なだらかな肉髻、2本1組で表わされる衣紋線は、北斉の仏像にしばしばみられる特徴の１つである。
両腕（現在は欠失）はかつて破壊され、修理を受けたらしく、腕の断面と表面に穴が開けられ、さらに鎹を取り付けるための凹みが設けられている。
本来、偏袒右肩（右肩をあらわにする）の像であったが、後世の補修の際に当初の像容が考慮されず、右肩を覆うように朱彩で衣が描かれ、胸元がV字形に開いている。衣の縁には連珠円紋を描く。面部に残る彩色も後世のものであろう。 出所：「中国国宝展」

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