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銀灯 2007年11月10日(土)更新
唐・9世紀
鍛造
1987年法門寺塔基地宮後室出土
高20.0cm、口径15.8cm、底径11.9cm、925g
法門寺博物館蔵
唐代頃の灯(ランプの類)は、獣脂などからとった油を入れて灯心を浸し、それに火をともして用いていたようである。本器も、このような灯の一種と見なされ、灯心や油の残り滓を処理しやすいよう、上部の半球形の部位の中におさまった碗形容器が、蕾形のつまみを手がかりとして、取り外しできる仕組みとなっている。ただし、「衣物帳」に照らしてみると、重量などから見て、智慧輪が寄進した「銀香爐(炉)一重廿四兩(両)」に該当する可能性がある。この場合、本器は、灯ではなく、香炉ということになるが、香炉とすると、通例備わるはずの透かし入りの蓋が具備されないことなどに不審な点があり、形態上は、灯ととらえる方が自然であろう。いずれにしても、名称・用途には、検討の余地がある。全体は、銀の薄板を用いて鍛造により成形されるが、上部の半球形と下部の器台は別々に形作られた後、半球形の下に作り出されたロート状の突部が器台に挿入され、両者が鋲留めされている。文様のないすっきりとした形姿には、銀器ならではの上品な味わいがある。出所:「唐皇帝からの贈り物」
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