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銀鍍金翼鹿鳳凰唐草文盒 2007年11月22日(木)更新
【和:ぎんときんよくろくほうおうからくさもんごう】 |
【中:Yin du jin yi lu feng huang tang cao】 |
隋・唐・五代|金銀・玉器>銀鍍金翼鹿鳳凰唐草文盒
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唐・8世紀
鍛造
1970年西安市南郊何家村窖蔵出土
径6.0cm、高2.4cm、重62g
陝西歴史博物館蔵
唐代前半期(7~8世紀中頃)は、中国における金銀器生産の絶頂期であり、多種多様な優れた出来映えの品々が産み出され、宮廷をはじめとする貴族層を中心にもてはやされた。こうした状況をよく示すのが、西安市街南方に位置する何家村の窖蔵(地下貯蔵庫)から発見された金銀器の数々である。この遺跡は、邠王・李守礼(唐第3代皇帝・高宗〈在位649~683年)の孫)の邸宅跡と目される所にあたり、その地中に埋められた大きな甕の中に、大量の宝玉・薬材・貨幣などとともに、270件にものぼる金銀器がぎっしり詰め込まれていた安史の乱(755~763年)に際して、その難を免れるために埋納されたと推定され、唐代前半期の文化を見るうえで、欠かすことのできない重要な遺物群である。本器も、この何家村から出土した遺例である。蓋表と身裏には、対葉花文を基調とするハート形の八つの花文および花綱風の円環が表わされ、その中心に、茸状の角と翼のある鹿(蓋表)と、羽を広げた鳳凰(身裏)が表現される。側面には、飛鳥と流雲が交互にめぐる。いずれも地には微小な魚々子が整然と並び、全体に細緻が尽くされている。
厚手の器体上に、深く、鋭く、的確に打ち込まれた鏨によって、生動感あふれる文様が見事に表現され、小ぶりながら、唐代前半期の金銀器の美質が集約された秀作のひとつに数えられよう。この種の蓋物は、化粧料あるいは薬などの容器として使用されたようである。出所:「唐皇帝からの贈り物」
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