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龍耳尊 2007年11月30日(金)更新
【和:りゅうじそん】 |
【中:Long er zun】 |
春秋戦国|青銅器>龍耳尊
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青銅製
高38.5、最大幅69
春秋・前8~5世紀
上海博物館蔵
肩が張る器に、外へ広がる口と圏足とが付く。肩部に一対の龍の装飾が付く。器の肩部と圏足の側面には凹緑による雷紋が施され、胴部は蛇腹状になっている。龍の側面には、凹線によって、鱗のような紋様その他が表わされているが、二匹の龍の画面、計四つの面でそれぞれ紋様は少しずつ異なっており、ある面では龍の頭の横に鳥の頭部を表わしている。尊の本体と龍は別々に鋳造され、溶けた銅液によって接合された。
上海博物館には、これとほぼ同形同大の龍耳尊がもう一点ある。しかし龍の体に施された紋様は全く異なっている。
これら二点の龍耳尊は、ともに上海の冶金工場に集められた銅の廃品の中から発見された。最初に龍の破片が発見されたのが一九六七年であり、注意深い捜索の末、二年後に銅の廃品の中から龍形の耳に接合する身が二個体分発見され、本来の形に復元された。これらの破片は安徽省から上海に運ばれたもので、この青銅器は元来安徽省で出土したものと推測された。一九七九年に安徽省青陽県で、高さ28.2センチと、これよりは小振りであるが、器形・紋様がよく似た龍耳尊が発見されたことは、上海博物館の龍耳尊の出土地が安徽省方面であったとする推測を補強するものである。
これらの龍耳尊は、黄河流域の青銅器とは異なった作風を示しており、長江(揚子江)下流域で春秋時代に発展した呉・越などの文化の所産と考えられる。出所:「上海博物館展」
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