青銅製
高36、腹径42.2
戦国・前五～３世紀
上海博物館蔵
　全体に赤褐色を呈している。蓋を被せると、上下に押しつぶされた球形になり、身と蓋共に斜角雲紋の紋様帯が三条ずつめぐっている。下腹部には太く短い足が三本付く。蓋には中央の環のほかに、三個の円形の鈕が付き、それぞれに小さなボタン状の突起がある。この鈕は、蓋を外して逆さに置いたときに、水平に安定させる役割を果たしている。普通この型式の鼎には、横から見るとL字状の方形の耳が口縁の外側に付けられるが、この鼎は、耳の代わりに獣面を表した鋪首が付き、それが環を銜えるという珍しい形をとっている。この形の鼎は、河南省輝県の趙固一号墓や、最近山西省太原金勝村で発掘された墓などでも出土している。これらの墓は春秋時代の末頃から戦国時代にかけての墓である。出所：「上海博物館展」

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