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竹石集禽図 2007年12月06日(木)更新

竹石集禽図

【和:ちくせきしゅうきんず
【中:Zhu shi ji qin tu
宋・遼・金・元|彫刻・書画>竹石集禽図

王淵筆
紙本墨画
縦137.5 横59.4
元・至正四年(1344)
上海博物館
 王淵は字を若水といい澹軒と号した。杭州(浙江省)の職業画家であったが、「王若水処士」という例もあり単なる市井の画工ではなかったようである。元時代の杭州は嘗て南宋の首都であったこともあり、南宋宮を画院の画風は主として杭州の職業画家たちに継承された。例えば楼閣山水図における孫君沢などはその代表例といえる。王淵は幼小より画をよくしたといわれるが、元初を代表する文人であった趙孟頫の指教を得ることにより、一筆も「院体」すなわち南宋宮廷画院の画風がなかったという。趙孟頫は元初の文人画家の復古主義の中心人物であったが、その周辺では北宋末の文人画家である李公麟の清楚な白描画風が盛行した。それは単に人物画、山水画のみでなく花鳥画の分野にも及んだといえる。王淵の花鳥画は正に元時代に盛行した白描の花鳥画を代表するものであったといえる。当時、その評価は既に高く、元末の夏文彦は『図絵宝鑑』において、王淵は最も水塁花鳥竹石にすぐれ当代の絶芸であると称賛している。
この竹石聚禽図は「至正甲申夏六月望、銭塘王若水為思斎良友作、于西湖客合」という款記と「王若水印」白文方印をもち至正四年(1344)に杭州西湖一の客舎で描かれたものである。その白描、没骨などの多様な技法を用いた写実的でアクの強い執拗な水墨表現は極めて質の高いものである。趙孟頫が残して既に二十年余がたち、元末の個性豊かな様々な文人、道士、禅僧、画工が杭州を往来していた時代の中で、本図は王淵が正に画家としての円熟期を迎えていたことを示す最優の作品といえる。図上に朱維囗の五言絶句の賛がある。清の梁清標、乾隆内府、董誥、周鴻孫の鑑蔵印があり、その旧蔵品であった。出所:「上海博物館展」

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