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行書謁張雨墓誌巻 2007年12月08日(土)更新

行書謁張雨墓誌巻

【和:ぎょうしょえつちよううぼしかん
【中:Xing shu ye zhang yu mu zhi juan
明・清|彫刻・書画>行書謁張雨墓誌巻

姚綬筆
紙本墨書
縦32.1 横529.4
明・成化十六年(1480)
劉靖基氏寄贈
上海博物館
 姚綬は字を公綬といい、穀菴子、雲東逸史などと号した。嘉興(浙江省)の人。明の永楽二十一年(1423)しに生まれ、弘治八年(1495)に残した。天順八年(1464)の進士。監察御史に任用され、成化(1465~87)の初め永字寧郡主となった。致仕後、帰郷して大雲里の東に室を築き丹丘と名づけ、世に丹丘先生と称された。書室を今始堂、会心処といい、著に『雲東集』『穀庵集』がある。
成化十四年(1478)、姚綬が元の張雨の墓参をした際に作詩した五律と七絶を収める横巻で、前後に序跋がある。庚子の年紀から、本作は成化十六年(1480)、姚綬五十八歳の作。款署「逸史綴言」の後に、「嘉禾」朱文方印、「公綬」朱文方印、「甲申進士」朱文方印、引首に「賜進士」白文長方印がある。序の後に「與造物游」白文方印、第一首詩跋の後に「進士・嘉興姚公綬氏」白文長方印、後段の詩の前に「丹丘子」朱文長方印を鈐す。姚綬は詩文に工みで、画は趙孟頫や呉鎮を倣い、書は蘇軾、趙孟頫を学んだ。かつて趙孟頫の湖州妙厳寺記に、前後四度にわたり跋を記している。また張雨の人と為りを崇拝しその書に私淑したのは、自ら序に書き記す通りである。張雨(1283~1350)は、銭塘(浙江省杭州)の人。若年より趙孟頫の知遇を受け、初め趙孟頫の書を承襲したが、のち奔放で野逸な趣のある書風を拓いた。
巻頭はゆったりとした運等で、趙孟頫や李邕のおおらかな結体が看取される。第一詩の半ばから第二詩にかけては、連綿を多用し筆勢や章法も放縦となり、張雨や楊維槇の奇逸な趣を備えるが、個々の結体は依然として正統派のそれを大きく逸脱するものではない。巻後に、清の秦瀛、樊増祥等の跋があり、金棻、張珩の鑑蔵印がある。劉靖基氏によって上海博物館に寄贈された。出所:「上海博物館展」

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