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釉裏紅花卉文瓜形壺 2007年12月18日(火)更新
【和:ゆうりこうかきもんうりがたつぼ】 |
【中:You li hong hua hui wen gua xing hu】 |
明・清|陶磁器>釉裏紅花卉文瓜形壺
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景徳鎮窯
高48.8、口径25.6、底径22.1
明・十四世紀
上海博物館蔵
釉裏紅は青花のコバルト顔料の代わりに銅分を含んだ顔料で釉下に文様を描く技法である。元末明初、あるいは明時代初頭に位置づけられる洪武様式とよばれる磁器には釉裏紅の作例が多い。文様は小豆色がかった上品な紅色に発色するが、青花と比べて安定した発色を得ることが難しく、この時期の釉裏紅には文様が黒ずんだり、あるいはとんでしまっている例も多い。この壺では文様がやや黒ずみ、紅色が滲み出すように発色しているが、洪武様式の釉裏紅のなかでは比較的良好な発色といえる。
器形は元時代の青花磁器にはみられなかったもので、重厚さを感じさせるものの、優美な曲線を描いている。胴部を十二区にわって瓜形とし、各区画に牡丹、蓮、菊、百合など十二種の花卉文が描かれている。文様もまた、元時代の青花磁器の文様と比べると構図が整理され、筆致にたおやかな気分が加わっており、作風の推移がうかがわれる。底裏は露胎で、淡褐色に焦げている。
類品は梅沢記念館、松岡美術館、大英博物館、スイスのバウアー・コレクションなどにある。また、同形、同意匠で文様が青花で描かれ、蓮葉形の蓋をともなう例が北京市徳勝門外で出上している(中国・首都博物館蔵)。出所:「上海博物館展」
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