考古用語辞典 A-Words

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青花桃樹文双耳扁壺 2007年12月20日(木)更新

青花桃樹文双耳扁壺

【和:せいかとうじゅもんそうじへんこ
【中:Qing hua tao shu wen shuang re bian hu
明・清|陶磁器>青花桃樹文双耳扁壺

景徳鎮窯「大清乾隆年製」銘
高49.4、口径8.0、底径17.8×12.0
清・乾隆(1736~95)
上海博物館
 ほぼ正円形の偏平な胴に、直立した細い頸と螭龍をかたどった双耳、それに高台がつく。胴の両面には円形の枠を設け、その中に大きくうねる波濤、嶕石、九つの実をつけた桃樹、それに五匹の蝙蝠が描かれている。この組み合わせは「寿山福海」とよばれる吉祥の文様である。主文様の周囲と頸部、高台には唐草文があらわされている。底部は楕円形をしており、畳付のみ露胎で、底裏中央に青花で「大清乾隆年製」の篆書三行銘が記されている。
清時代の官窯では歴代の名高い陶磁器の再現模倣が盛んに行なわれた。この扁壺は明初の青花磁器の様式に倣っている。華やかな色合いの呉須が用いられ、わずかに青みを帯びた釉薬が厚くかけられている。また明初の青花磁器に特有の呉須のにじみやむらを点描によって意図的にあらわしている。清朝官窯における明初の青花磁器の模倣作には、器形や文様をそのまま忠実に写したものと、これに清朝風のアレンジが加えられたものとがあり、この扁壺は後者に属する。明初の青花と比べると描線が硬く、文様がきっちりと配され、精美な気分が漂っている。伝統を発展的に創作に結びつける清朝官窯の製作態度がよくあらわれている。出所:「上海博物館展」

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