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牛虎鹿貯貝器 2007年12月20日(木)更新
【和:ぎゅうこしかちょかいき】 |
【中:Niu hu lu zhu bei qi】 |
春秋戦国|青銅器>牛虎鹿貯貝器
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戦国
青銅
高34.5cm 口径16.6cm 重3.42kg
1972年江川県李家山出土
雲南省博物館所蔵
貯貝器はこの地方の民族的特色に富んだ器物で,滇国の貴族は貨幣―海産の貝―を貯蔵するのに用いた。
この貯貝器は筒形の器形をなし,中ほどがかすかにくびれ, 3本の支脚をもっている。脚は立ち姿の人物を鋳出したもので,頭と差し上げた両手で器体を支えている(器の側面は水平方向の沈線によって数段に区切られ,そのうち2つが主要な図像帯を揺出している。一方は蛇のからみついた孔雀6組を表現している。他方は頭に鳥の羽根をつけた4人の人物が表わされており,彼らは牛を牽き,牛を追い,また斧の柄を把んでいる。このほか,眺びはねる鹿,角をつき合わせる牛などが,田園風景の詩情豊かな情景を操り拡げている。さらに櫛歯文,撚紐文,鋸歯文などの文様帯が2つの主要な図像帯を区画している。蓋は円盤状で,中史部に立ち上がった1頭の牛の像が据えられ,その周囲に1頭の虎, 3頭の鹿がめぐっている。牛の力強さ,鹿の用心深さなど,全て生き生きと表現されている。
この種の貯貝器は,別々に鋳造したものを,ろうづけするという技術を応用したもので,まず牛,虎,鹿の像と蓋本体を別々に鋳造し,動物像の足の下にはホゾ状の突起をつけておく。そして蓋本体に作られた小さな孔に差し込んだ後,蓋の内面と外面にとけた銅をろうとして固定する。ろうづけの痕跡はそのまま残されているため,現在でもはっきり見ることができる。別々に鋳造してろうづけで合せる技術は,滇文化のそのほかの器物でも多く用いられている。出所:「雲南博物館青銅器展」
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