考古用語辞典 A-Words

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開元通宝2(1枚)     2008年07月08日(火)更新

開元通宝2(1枚)
【和:「かいげんつうほう
【中:「Kai tong yuan bao
隋・唐・五代|金銀・玉器>開元通宝2(1枚)


径2.6cm
陝西省西安市何家村出土
唐時代・78世紀
陝西歴史博物館
 金銀器や和同開珎銀銭と同じく、西安何家村から出土したうちの各1枚。開元通宝は、唐の武徳4年(621)に発行された唐代最初の賃幣で、以後、唐末に至るまで、断続して発行され続けた。通用銭は銅製で、金、銀製のものは、贈答、賞賜、まじないなどの目的で特別に制作されたものである。2枚とも使用した痕跡のない制作当初の状態をとどめている。開元通宝は、その後、中国はもちろん周辺諸国の貨幣の範とされ、西方ではトルファン高昌国の高昌吉利、東では日本の富本、和同開珎など初期の銅銭も、これをモデルとしている。
開元通宝の名称については、上下左右の順に対読して「開元通宝」とする説と、時計回りに回読して「開通元宝」とする説が対立しているが、日本をはじめ、影響を初期に受けた貨幣が回読になっていること、8世紀半ばに日本で出た大平元宝(銀銭)、万年通宝(銅銭)が、それぞれ開元通宝の回読と対読によりながら、回読による大平元宝を上位の貨幣としていることから、本来は開通元宝で、のちに開元の年号が使われるようになってから、開元通宝の読みが一般化したと推定できる。これをみても、日本の古代銭が受けた影響の大きさず知られるであろう。出所:『遣唐使と唐の美術』

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