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弘暦薫風琴韻図 2008年07月28日(月)更新
【和:こうれきくんぷうきんいんず】 |
【中:Hong li xun feng qin yun tu】 |
明・清|彫刻・書画>弘暦薫風琴韻図
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70歳を過ぎた乾隆帝が琴を弾く図
作者不詳
清(1644-1911)
紙本者色・掛幅装
150.0×77.5cm
弘暦とは清代乾隆帝の名で、絵は弘暦が70歳を過ぎた晩年の、古代の服装をした姿を描いたもの。画面は清新で、静かな庭のたたずまいが描かれている。手前の池には蓮の花が咲き、鴛鴦が泳ぎ、石を積んだ囲いや芭蕉、太湖石の盆栽が見え、かたわらには石の机、竹で作った囲い、囲碁、書画巻もある。楼閣、太湖石の陰にある床の上で坐して琴を弾じ、詩を詠んでいるのが弘暦即ち乾隆帝である。泰然自若としてあたかも自ら文人であるかのように風雅を装う姿である。衝立には文人としての高潔な人格を象徴する松と梅が描かれているが、「三稀堂戯墨」の款識があり乾隆帝の御筆によるものとわかる。全て文人画の伝統的手法によっている。床の両側に二人の童児がそれぞれ杖と如意を持って立ち、さらに茶を運ぶもの、書を運ぶもの、花に水をやるもの、果物を盛っているものなどが見えるが、いずれも身なりは質素である。文人の生活ぶりや気風をにじませるこの作品は、皇帝自らが文人としての自己表現を行ったものと見ることができる。画面ではまた鹿(禄と同音)、鶴(長寿の象徴)が鳴き遊び、供果の桃とともに福(桃は福を象徴)、禄、寿が揃うことになり、これらは封建時代の文人たちが理想として求めてやまないものであった。筆法は細かく線描はのびやか、色彩も鮮やかである。対象は正確に描き出されている。乾隆帝は福々しく威厳があり、まさに帝王そのものである。この絵は内容が豊富で、人物、肖像、花鳥、走獣、楼閣、樹石などを表現するさまざまな画法からなっている。作者の落款はないが、おそらく清朝宮延画家の中でも優れた画家たちの共同制作によって描かれた精作であろう。出所:北京・故宮博物館名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝
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