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墨梅図 2008年08月06日(水)更新
金農(1687-1764)
清・乾隆26年(1761)
金箋墨画・掛幅装
163.1×34.0cm
北京故宮物院蔵
金農は字は寿門。号は冬心先生、吉金、昔耶居士、心出家酓粥飯僧など。博学鴻詞(皇帝の顧問兼秘書官を得るための試験)に推挙されるが辞退した。篆刻(印章を彫ること)、詩文、書画の鑑定に優れていた。書は隷書(書体の一種)をよくし、方形に近い字体を創作して自ら「漆書」と呼んだ。絵画の制作を始めるのは50歳を過ぎてからであるが、奔放で天真爛漫な画風には独特の風格がある。画題は梅花、仏像が多く、山水も描いたが、自題(画中に作者自身が書いた詩や文)には珍奇な言葉が詠みこまれるなど、その作品には文人画としての特質が遺憾なく発揮されている。世に「揚州八怪」と呼ばれ、その筆頭格とされる。この作品は梅林の一隅を切り取ったような絵で、まばらな枝が鉄のように伸び、満開の梅花からは芳香が匂い立つようである。構図は筆の粗密のバランス配置も整い、運筆には古拙な味わいがある。梅花は花びらを淡墨で輪郭したのち、濃墨で花蕊(花のしべ)を点じているが、いずれもくっきりとして目をひき、それぞれに自然のままに画面に揺れている。長文の自識(作者が絵の由来などを記した文)があり、宋代の梅図の大家、葛長庚の事跡と、本図の梅花が再長庚の画に基づくものであることを述べている。文末に「七十五叟農」の落款があり、これは1761年にあたる。金農最晩年の数少ない梅図の名品である。出所:北京・故宮博物院名宝展-紫禁城と中国4000年の美の秘宝
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