菩薩立像(1) 2008年09月23日(火)更新
塑造彩色
高85.5
北魏
三面の宝冠をいただき、髪と冠帯を長く肩に垂らす。胸飾と腕釧をつけ、裙を着け、絡腋と天衣をかけ、垂下した左手と胸前に上げた右手にそれぞれ蓮蕾を執って立つ。頭部は丸彫り風に、体部以下は浮彫り風に造られている。体部以下は壁体の表層と共に剥離したもので、右肘下、右腰の右側部分は壁体の一部であり、天衣の右肘内側からの垂下部はこの壁面に描かれている。絵塑が一体となったさまがよくうかがわれる。光背も壁面に描かれていたはずである。なお足首以下は近年補われたもので、もとは壁に貼り付けられていた型抜きの像である。その形とのびやかな肢体に、西域の影響の濃い北魏時代五世紀後半の塑像の特色を示している。天衣のかかり方などを含めた形と作風は第二五四窟方柱龕内に残る供養菩薩像に近い。
藁苆入りの荒土、麻苆入りの中土、細かい仕上土と三層に塑土を構って造るのは、菩薩頭部と同様で、表面に(壁面と同時に)ベンガラを塗った上に白土下地の彩色を施しているのも同じである。肉身は淡紅色、絡腋は白緑彩、その縁は群青彩、裙には白緑彩がよく残っている。壁面はベンガラ地に白緑で天衣が描かれている。出所:『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念
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