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唐奴婢売買市巻(副本) 2008年09月29日(月)更新
【和:とうどひばいばいしかん】 |
【中:Tang nu bi mai mai shi juan】 |
隋・唐・五代|彫刻・書画>唐奴婢売買市巻(副本) |
紙本墨書
前 縦23.5 横13.5
後 縦18.6 横14.8
唐
敦煌研究院0639・0640号
「市巻」とは売買成立後、官府の検閲を経て印を与えられた文書である。この文書の場合は奴婢(奴隷)売買の最後の法定手続きである。券の中に印がないことから、副本と考えられる。文書中の「郡印」の二字は「市券」の最後の審査権が郡府にあったことを示し、官府の奴隷売買に対する厳しい規制を表している。この文書は当時の市場管理機構、敦煌地区における商業の発展、古代の階級構成や人々の生活などを理解する上で、重要な意義を有している。文書中には「敦煌郡」の文字がみえる。敦煌が郡となったのは天宝元年から乾元元年の間(七四二~七五八)である。また人の年齢を表すことばとして「載」の字を使っているが、これは天宝三年から乾元元年の間のことである。したがって、この文書の年代は天宝三年から乾元元年の間(七四四~七五八)とすることができる。
敦煌蔵経洞からこの文書が出土するまで、「市券」はただ歴史書の中の記述にしかみられず、実物も残っていなかった。これが敦煌文書の中で唯一の「市券」である。
一九五九年以後、トルファン出土の文書の中から「市券」の実物がみられるようになった。しかしこれもまた二点を数えるのみである。出所:『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念
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