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水月観音図 2008年09月30日(火)更新
紙本着色
縦82.9 横29.6
五代
大英博物館
水月観音菩薩は、昇る満月を背にして、岩の端に生している。画面左 上に小さく描かれた雲上の人物が、おそらくこの絵を献納された故人であろう。下方には寄進者がみられる。本図には銘文はないが、ペリオ・コレクションにこれと非常に類似する作例(ペリオ図録『敦煌の幡と絵画』)がある。そこには天福八年(九四三)の年紀があり、且つ「水月観音菩薩」と銘記されている。月明りが反射する幻想的な光景は、その非現実的な現象を表している。九世紀唐代の張彦遠撰述になる両論書『歴代名画記』によれば、水月観音の画題は、周昉(しゅうぼう)こが長安の勝光寺にてはじめたとされている。また本図は、様式・彩色および天蓋の形や小人物を乗せる雲などの細部表現において、同じくスタイン・コレクションの維摩変相図下段に描かれた水月観音図に類似している。出所:『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念
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