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金龍佩飾 2008年12月14日更新

金龍佩飾
【和:きんりゅうはいしょく
【中:Jin long pei shi
晋・南北朝|金銀・玉器|>金龍佩飾

北朝
長128cm,重214g
1981年内蒙古鳥蘭察布盟ダルハン・ムミンガン聯合旗出土
一身双頭。龍頭は金片を巻いてできており,角は金糸をコイル状に巻いてできている。眼の両側に金糸を巻いたあご鬚がある。鼻と口髭の間のところに頷まで達して釘がさしてあり,口中にくわえる金環を貫いている。耳の内にはめこまれたガラスはすでに脱落している。文飾にはすべて外周に魚子文が飾られている。ふたつの龍頭の作りは同じである。龍身は金糸を管状に編んだもので,細かい鱗が重なり合っているように見える。龍身は全部で270もの環を綴り合わせて成り,自在に動き曲がり,敏捷に浮遊する感がある。龍身には今,盾2個,戟2個,鉞1個,梳2個の7個の装飾がつき,それには円圏文と魚子文が飾られ,幾つかの円圏の中には藍,緑,薄緑色のガラスが残っている。
これら金器の用途について,その形から推測すると,金龍は首飾りであろうし,鹿角牛頭と鹿角馬頭金冠飾は「歩揺冠」上の装飾の一つかもしれない。「歩揺冠」(歩くと揺れる冠)の流行は晋代以後で,『晋書』慕容廆載記に「莫護跋は魏の初めにその諸部を率いて遼西に入り住んだ。……時に燕,代の地方では歩揺冠をかぶる者が多く,莫護跋はこれを見て気に入り,そこで髪をまとめ冠をかぶったので,諸部は彼のことを歩揺と呼び,その後音が訛って,そのまま慕容の姓となった。」という。恐らく慕容部の活動範囲内では,歩揺冠をかぶる風習があり,しかも種類が多く,冠の飾りを扶桑の形に作るのはその中の一種なのであろう。これらの金器の超絶した技巧,生き生きとして一風変わった造型は讃嘆に値する。ここから騎馬民族子工芸の水準の一斑をうかがうことができる。出所:中国内蒙古北方騎馬民族文物展
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