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建鼓座 2008年07月17日(木)更新
青銅製
径80cm、高54cm、重192.1kg
中室より出土した。建鼓を立てるための座である。建鼓とは柱の中ほどに太鼓を付けたもので、演秦者は立って太鼓を叩く。出土した時、これに立てられていた建鼓の柱は折れ、大鼓の皮は腐朽していたが、本来の姿は知ることができる。太鼓の部分は口径74センチ、長さ106センチの樽形のもので、これを貫く柱は高さ3.65メートルもあり、太鼓の中心は地面から1.60mほどの高さにあった。また近くからは建鼓を撃つための槌と思われるものが2本発見されている。
建鼓座は、円形の底部、木柱を受けるための筒形の円柱、およびそれらを囲んでとぐろを巻きわだかまる一群の丸彫りの龍からなっている。底部の上面には運ぶための環が四方に付く。底部の内側は不規則な透彫になっており、その中央に建鼓の柱を差しこむ円筒がつながっている。円筒の上縁には「曽侯乙作持」という銘がある。龍は大きなものが8対おり、それに数十の小さな龍が絡みついている。これらの龍は数十に分けて鋳造され、鋳継ぎと鑞付けによって互いに接合されて本体に付けられている。大きな龍の背中はトルコ石などの象嵌で飾られている。 「建鼓」については『儀礼』などの古代文献に記されている。 安徹省舒城県九里墩の春秋後期の墓から、虎頭や龍紋などで飾られたはぼ同じ大きさの青銅製品が出土し、それには「建鼓」という銘があるので、この種の楽器が「建鼓」と呼ばれていたことが確認された。
このような太鼓は鴛鴦形漆盒の絵にも表されている。また他の地点で出土した戦国時代の青銅器の紋様や、漢代の画像石にも表されていて、古代中国で永く用いられた楽器であったことがわかる。出所:『曾侯乙墓』
特別展 日中国交正常化20周年記念
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