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騾馬 2009年1月27日更新
一九六六年 陝西省西安市西郊製薬廠出土
三彩
高26.2、長34.1、幅16.3
唐 八世紀前半
陝西・西安市文物保護考古所
動物を表現した唐時代(六一八~九〇七年)の俑の遺例では、馬と駱駝が圧倒的多数をしめるが、ほかにも獅子、牛、羊、豚、犬、兎などの各種があり、騾馬(驢馬と馬との雑種)や驢馬もその一例である。
白い胎土の上に、藍釉を主として、白釉・褐釉・黄釉を効果的にかけ分けている。面繋をつけて頭を垂れ気味にし、鞍の上に大きな荷袋を背負って立つ。荷袋を留める紐の結び目やそこに付けられた鈴といった細部まで克明に表現される。休息をとるかのように静かにたたずむ驢馬の姿と、美しく発色した釉調とが見事に溶け合い、えもいわれぬ風情が醸し出されている。台板の丁寧な作りにも見られるように、工人の生真面目で優れた手腕が発揮された佳品といえよう。
コバルトを用いた藍釉の陶磁器類は、中国では七世紀後半にはじめて遺品が知られ、その大半は八世紀前半に集中している。それらの中にあって、騾馬や驢馬の作例は、きわめて少ない。
出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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