考古用語辞典 A-Words

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花葉文五花形杯 2009年1月30日更新

花葉文五花形杯
【和:かようもんごかがたはい
【中:Hua ye wen wu hua xing bei
隋・唐・五代|金銀・玉器|>花葉文五花形杯

一九八七年 河南省洛陽市堰師佃庄郷太郎廟出土
金、鋳造・一部鍛造
高2.8、長径7.0、(重量)62.7グラム
唐 八~九世紀
河南・洛陽博物館
花葉文五花形杯は五花形に作られた金製の杯。地金の色調は赤みがかり、純金に近い系材が用いられたと思われる。各所に鬆(気泡の痕)が散在することからすると、高台を含めて、鋳造になると推測されるが、外側面の窪みには工具の打痕と刻線が認められ鋳造後に、 一部を鍛造して仕上げたようである。内底にある五弁の花文と棗椰子の葉かと思われる五方へ伸びた葉文は、その様態をみると、器の裏側から、打出しと線刻によって表現されたとおぼしい。 一方、口縁の内側の玉縁状の部位は、鋳造になるものと見える。
脆弱な素材ゆえに、何らかの圧力を受けて、現状では高台を中心として底や側面に歪みがあるが、当初は、小ぶりで可憐な形姿に、金色のまばゆい光輝が、よく照り映えていたことであろう。
技法や文様表現には、中国の金銀器と異質な点が多く、西アジアあるいはビザンチンといった西方で制作されたものかもしれない。いずれにしても、これまで類例を知らず、注目される遺例であり、形式からすると、制作年代は、八世紀後十以降と想定されよう。出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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