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東行記 2009年3月22日更新
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鳥丸光広筆
一巻
彩箋墨書
縦二九・〇 全長九一二・三
江戸時代・十七世紀
東京国立博物館
江戸時代初期に活躍した公卿鳥丸光広(一五七九-一六三八)の手になる紀行文。全長九メートル余の長巻で、淡い藍、黄、蘇芳の染紙を継ぎ、全紙に渡り金銀の大小桐文、菊花文の型押しの装飾が施される。青墨を筆に含み縦横に走らせた奔放ともいえる筆致が特徴の作品。特に巻中に逢坂関、潮見坂、三保松原、富士山、浮島原などの小景を光広が自筆で描き入れている。幼少より能書の聞こえの高かった光広は廷臣として出世した。その性格は闊達であり豪放でもあったらしく、慶長十四年(一六〇九)夏に、青年公卿らとともに後陽成天皇(一五七一-一六一七)寵愛の女房と不祥事を起こし、天皇の勅勘を蒙り配流されたが、徳川家康との交流のため、その取りなしにより朝廷に復帰した。当時の公卿が一般的に学ぶのと同様に、最初持明院流を習い、のちに同時代人である本阿弥光悦(一五五八-一六三七)の書風から影響を受けるとともに、藤原佐理(九四四-九九八)に私淑した。それらが合わさり自身の性格を示すようなぎわめて癖の強い独特の書風を確立させている。出所:書の至宝-日本と中国2006
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